GLPは前臨床試験の信頼性を高めるために決められた厚生労働省の省令です

アメリカの薬害事故がきっかけ

新薬を開発する際、その有効性と安全性を確かめるため、人を対象とした臨床試験の前にウサギやイヌなどを使った動物実験(in vivo)、あるいは細胞培養などの試験管内の実験(in vitro)を行いますが、これらを前臨床(非臨床)試験といいます。

この前臨床試験では、薬の効き目を調べる薬効薬理研究、動物の体内でどのように吸収・代謝・排泄されるかを調べる薬物動態研究、そして毒性試験が行われます。重要なのは、新薬候補を人が服用する前に、安全性調査を正確に行うことです。

そこで前臨床試験データを作成するにあたって、その信頼性を高めるために決められた試験の実施基準として、厚生労働省による「省令」の形で施行されたのが、GLP(Good Laboratory Practice)です。

GLPでは、前臨床試験を行う施設が備えるべき設備、効き、組織、試験の手順等などが細かく定められており、医薬品をはじめ、化学物質、農薬、資料添加物など様々な化合物に適用されています。

医薬品を対象としたGLPは、新薬の承認申請の際に提出された前臨床試験のデータに改竄や捏造、省略などが頻発し、サリドマイドによる薬害事件を引き起こすに至ったアメリカが1979年に法令化しました。

日本では、3年に1度、厚生労働省の管轄である医薬品医療機器総合機構がGLP適合施設について、責任体制が明確化されているか、試験方法は適正かどうか、データの信頼性を保障する部門は設置されているか、機器の使用や管理方法に誤りはないかなどを5日間にわたってチェックします。

以下はGLP試験施設の一覧です。

試験項目
施設の名称 分解 蓄積 Pow
財団法人化学物質評価研究機構
株式会社クレハ分析センター × ×
広栄テクノ株式会社 ×
株式会社日曹分析センター
富士フイルム安全性評価センター
保土谷コントラクトラボ株式会社
三菱化学メディエンス株式会社 環境リスク評価センター
三菱瓦斯化学株式会社 新潟研究所 × ×